石巻地区合併問題市民団体交流会の様子です

カナンNPO研究所と河南町まちづくりの会みずすましが呼びかけて今年の7月,1市9町の市民団体のみなさんと合併問題についての活動内容,合併問題への取り組みなどの情報と意見交換をしました。
今後,各団体での取り組みに相互に協力するとともに,連携して活動を実施すること,情報交換会を定期的に開催していくことが決まりました。
途中からですが,第4回以降のワークショップのまとめなど,その内容の一部を紹介していきいます。


平成15年3月20日開催公開学習会 「市町村合併と地域自治の確立」を開催しました。


カナン未来塾市民大学(岩手県立大学総合政策学部 総合政策学科 田島 平伸助教授)お話の概要

テーマ「近隣政府とは何か」〜合併後における地域の自治の確立に向けて

はじめに
 
地方分権社会は協働型社会である。住民の自己決定権の拡充された社会であり,合併はその手段である。
狭域行政と広域行政
 
狭い地域の行政と広い地域の行政がある。行政サービスから見るとそれぞれ狭い地域で行なった方がいい行政サービスと広い地域で行なった方がいい行政サービスを細かく仕分けして,高度化,専門化する必要がある。
 合併によって組織が拡大するが,狭域で行った方がいいか広域で行った方がいいか検討しなければならない。
 また,組織内で分権化を進める必要が出てくる。行政サービスの仕分けを行うことが自治体組織内での分権化の第1歩である。

表1 狭域有効業務と広域有効業務(例示)
区   分 狭域有効業務 広域有効業務
住民サービス 直接窓口(窓口,住民相談等) 間接業務(総務,企画等)
健康・福祉 在宅介護,基礎医療(検診等)など 介護保険運営,高度医療など
生活・環境 ごみ分別,環境美化など ごみ処理など
教育・文化 地域学習,公民館活動など 高等教育,文化講演など
産業・交流 商店街振興,地区イベントなど 雇用対策,企業誘致,広域交流など

行政組織の分権

表2 行政組織内分権
業      務 支所 総合支所 本庁
住民への利便性の高い業務 × ×
住民参画機会が多い業務 × ×
地域の特定課題・需要に関する業務 × ×
現場にかかわる業務 × ×
支所業務を補完する業務 × ×
専門的な対応が必要な業務 × ×
新市の統一的な業務 × ×
新市の全域にかかわる業務 × ×
対外的業務(国・県・他地域などとの調整) × ×

    ※大半の業務は支所で行えるようにし,必要があれば総合支所,各地域へ出向く
 IT基盤の整備によってはさらにスリム化できる。
 支所に権限をあたえて,意思決定できるようにする。
住民自治協議会(近隣政府)
 狭域的な地域で意思決定できる組織。誰でも参加できて,身近な話題,問題を話し合う組織である。小学校区あるいは中学校区単位を想定し,地域の団体の代表者と公募による住民で組織。何をやるか,まずはじめに地域のまちづくり計画をつくる。誰が何をやるかを決めることが大事。議論をとおしてそれぞれの地域における役割を認識していく。
 それぞれの計画を支所単位にまとめ,市政に取り入れていく。地域予算を配分し,実験的に実施している例もある。
参加・協働・協創を進めるための条件
 情報の共有
 市民活動の支援
 住民意識と行政意識の変革(意識改革)
  行政は民間の力を借りるというスタンス
常々思っていること
 新しい自治体のイメージを住民とともに作ってみる。そこで住民なり地域団体なり自治団体が新市でどういう役割を演じるかを議論し,認識することが大事。


平成15年1月29日開催第5回定例会
各市町の動向の情報交換のあと,連携して行う活動を協議し,その後「合併後の地域コミュニティのあり方」をテーマにワークショップを行いました。

ワークショップの結果はまとめ次第UPします。

平成14年12月 4日開催第4回定例会
各市町の動向の情報交換のあと,県で行っている石巻地域市町村合併調査研究事業実地調査がまとまったので,その概要を参加者で勉強し,意見交換しました。その後「合併後の財政投資に何を集中させるか」をテーマにワークショップを行いました。合併の国の支援を財源を「何に使いたいか」逆に「何に使いたくないか」KJ法でまとめてみました。

ワークショップのまとめ
使いたくないもの

はこもの
庁舎建設,新しい建物,箱物,各旧市町へのばらまき,豪華な庁舎
報酬・給料
議員報酬の増,職員給料の増,自治体規模に見合わない給料・報酬
使いたいもの
交通
公共交通手段,石巻線と仙石線の連結,矢本飛行場への民間機の乗り入れ,幹線道路の整備,石巻運河の活用整備
福祉
老人福祉施設,健康づくり施設,グループホームの建設,コミュニティ形成・支援
産業・雇用
雇用の場の確保,産業育成,いしのまき食ランド構想(観光・食研究,開発),コニュニテイビジネスの振興
環境づくり
アウトドアゾーンの形成,環境保護(いしのまきの自然を守り,活かす),ごみ問題への対応
教育・ひとづくり
大胆な子育て支援,小中高一環校の設置,NPOの支援育成


平成14年10月31日開催第3回定例会
各市町の動向の情報交換のあと,「いしのまきの産業をどう活性化するか」をテーマにワークショップを行いました。
参加者から出されたアイディアをまとめました。

ワークショップのまとめ
広域的な政策
市町の枠がなくなり商圏の拡大,農業・商業・観光のゾーン形成,減反政策への対応,統一ブランドの作成(食・加工品・工業製品まで)
産業のためのインフラ整備
三陸道を活かした道路整備,道路,港湾,工業団地,市場,生産地域をトータルに考えた都市計画づくり,食のテーマパーク,一つのコンセプトによる企業誘致,松島基地の民間使用による活性化,鉄道の整備(仙石線,石巻線の増発),自然を活かし,自然を残した産業開発(川,海を活かす)
食を活かす
食料供給基地化(海山川里の多くの食材),地産地消の仕組みづくり,統一ブランドづくり,美食圏の形成(1次産業から2,3次産業へ拡げる。)東京・仙台にアンテナショップをつくる。食のテーマパーク
ユニークなひとづくり
石巻ならではの教育機関をつくる,食品加工の研究,教育立市による人材育成,起業人の養成,漁師百姓の養成,萱職人・すずり職人など,職人の養成。