カナン未来塾はこんなことをしてるんだよ

カナン未来塾 第X期縄文の暮らしを体験しよう(2002年度) その2

平成14年度のカナン未来塾第X期も6月16日(日)入塾式と第1回目の塾を開催し,スタートしました。
今回は,町外の方々の参加が町内の塾生より多くなっています。
これから月1回の割合で,縄文人の暮らしを学んで行きます。

10月20日(日)第5回塾「勾玉をつくろう」のようすです。予定を変更して行いました。
勾玉づくり画像穴あけ 勾玉の始まりは,狩猟した獣などの歯牙に穴をあけ,首にかけたものと言われているそうです。これはその人の強さを表したり,お守りや魔よけの意味合いもあったそうです。
ヒスイやメノウを原料にしたものもあるそうですが,今回は,軟らかい滑石を使いました。
初めに材料の四角く切った滑石の上に鉛筆で形を描きます。
穴の位置を決めてきりなどで穴をあけます。

勾玉づくり画像けづり
不要な部分を荒めのサンドペーパーで削ります。
結構簡単に削れます。
荒めのサンドペーパーでマルク玉型に削り,細かいサンドペーパーで表面を整えます。細かい耐水ペーパーで水をつけながら丹念に磨き,石の光沢を出します。
紐を通して完成です。
1時間少しで出来上がりました。
残念ながら,デジカメの電池が切れて,完成写真は次の更新で・・・・。申し訳ありません。
勾玉の完成です。実物はもっと光沢があるんですが,写真だと光沢がなくなってしまいました。表面もつるつるしています。
9月7日(土)第4回塾「縄文式土器をつくろうその2」のようすです。
野焼きのようすの画像 縄文式土器の野焼きに挑戦です。
時々小雨が降るあいにくの天気です。
焼き物を焼くには湿度が高いと,温度が上がりにくいので本当は避けたい天気です。
しかし決行。
昇炎式という方法で焼きました。
一番原始的で,温度の管理も難しい,運に頼る焼き方です。でも仕組みが一番簡単です。(笑い)
10センチメートルくらいの深さの穴を掘って,土を周りに積み上げ,その中で火を焚いて穴の中や周りを乾燥させます。
この時土器も穴の周りに置いて,もう一度火の熱で十分に乾燥させます。
この後,土器を穴の中に並べて,少しずつ薪をたいていきます。

火のようすの画像 最初はいぶすようにして,火を燃やし,徐々に温度を上げていきます。
一気に温度を上げると,土器の水分が急に蒸発して,割れたりします。
また,粘土に空気が入っていると,破裂することもあります。この写真は,赤くなっているところは大体600度から700度くらいになっているところです。
すすで黒くなっていた土器も真っ赤に焼けています。
ここまでくれば一安心です。
後はひたすら温度を上げて焼くだけです。

土器の焼きあがった画像 3時間くらい薪を燃やし続けました。
少し冷めた後,取り出して並べました。
割れて形がなくなったのもありました。
空気が入っていたので,割れたのもありました。
また,粘土の鉄分が少なかったため,あまり赤くなりませんでした。
地元の粘土で作ったものは,備前焼のように濃い茶色に焼きあがりました。鉄分が多いためです。
底が割れたのもありました。残念!。
でも,自分が作った土器は誰がなんと言おうと一番のできです。(笑い)
土器の焼きあがった画像 粘土は焼くとなぜ硬くなるんでしょう。粘土に含まれるケイ酸(珪素,石英)が熱で溶けて,粘土の粒子と粒子の隙間に浸透して,粒子と粒子をくっつける役目をします。
縄文式土器は,高温で焼けないため,ケイ素の溶けかたが少なく,高温で焼いたものよりもろいのです。
うまくいっても800度くらいにしかなりません。
上薬をかけた焼き物や硬い磁器は,1200度から1300度くらいの高温で焼きます。
それにしても,縄文人は,どうして焼き物を焼く技術を身につけたんでしょうね。しかも,漏らないで,器やなべなどとして使っていたんですから・・・。
「今度は地元の粘土を採取して,作って見たいね」といった感想も聞かれました。
8月11日(日)第3回塾「縄文式土器をつくろうその1」のようすです。
土器つくりの画像 縄文式土器つくりに挑戦です。
粘土は,乾燥と野焼きの過程で体積が2割から3割くらい縮小します。それを考慮しながら大きさを決めます。
はじめに新聞紙などの上に粘土を丸くしたものを置いて平らに伸ばし,底になる部分をつくります。
新聞紙は,ろくろ代わりです。回転させることもできます。でも,水分を含んで,底についてしまいました。
粘土を紐状に伸ばして,その上に輪にして積み上げて行きます。積み上げる時には粘土の中に空気が入らないように指で押付けるようにしていきます。
粘土に空気が入ると,野焼きの時,熱で空気が膨張して,土器が破裂してしまうので注意しながら作ります。
土器つくりの画像 だんだん積み上げて形にしていきます。
なかなか自分の思い通りにはならないですね。
でも何とか形になってきました。

地元の粘土も採ってきましたが,粘りが弱くて,形を作るのが難しいので,購入した粘土と混ぜ合わせて作ってみました。
粘土に粘りを出すには,粘土に水分を含ませたまま,長い期間寝かせます。するとバクテリアが繁殖して,粘土を細かに分解し,粘りが出てきます。

土器つくりの画像 みんな真剣です。
形が出来上がったら,土器の内側や外側をへらや指で平らにしていきます。
縄文式ですから,縄文の模様もつけます。
縄目や櫛目の模様をつけていきます。
今回は,紐を竹に巻いて転がす方法やフォークの先を使ったり,つま楊枝の先で模様をつけたり,それぞれ工夫をしながら模様をつけました。
縄文の模様はどのような理由でつけたんでしょう?。装飾・・・・,誰か教えてください・・・(笑い)
土器の完成画像 完成です。色が赤いのもありますが,これは地元の粘土です。粘土の中の鉄分が多いせいで,鉄が錆びた赤い色が出ています。粘りが無いので,陶板にしました。
どうですか,いろんな形が出来上がったでしょ。野焼きが楽しみです。
壊れずに焼けるのかな。どんな風に焼くのかな・・・。焼くとなぜ硬くなるの・・・・。どんな色になるの・・・。
興味は尽きないようです。

7月13日(土)第2回塾「魚釣りをしよう」のようすです。
釣竿つくりの画像 第1回塾で鹿の角で釣り針を作りました。
今回は,その釣り針を使って実際に釣りを体験してみます。
最初は釣竿つくりです。会員の只野さんのいぐねの竹を切ってきて,竿を作りました。釣り糸や錘,浮きは今のものを使いました。鹿の角の釣り針が結構太いので,はたして川で本当に釣れるのか心配しながら作りました。「
どうやって針を結ぶの?」「とれないの?」みんなかんかんがくがくで作りました。
釣竿の完成画像 「さあ出来上がったぞ!。 釣に出かけよう!」
「でもせっかくつくった鹿の角の釣針が外れないかな,心配。」
川つりの様子の画像 近くの用水路でさっそく釣です。いい天気に恵まれました。この場所では,最近80センチメートルくらいのコイがつれたそうです。一昨年の未来塾で,つりをしたときも大きなコイがつれました。期待が持てます。しかし,釣り針がでかいなあ。
釣った魚の画像 つったぞーーーーーー。」
こんな大きいコイがつれました。
残念ながら,鹿の角の針にはかかりませんでした。針を現在のものと,鹿の角でつくったものと2本つけておいたんですが,現在の釣り針にかかりました。やっぱり鹿の角の釣り針は少し大きすぎました。(笑い)
もっと口の大きい「コチ」などの海の魚であれば釣れる可能性も高かったんですが・・・・・・。残念!.
でも,いい天気のもとで,十分に釣を楽しんだようでした。

「縄文人って,本当に釣ったんだよな。すごいなあ」こんな感想が聞かれました。
次回は,土器づくりに挑戦です。

6月16日(日)入塾式と第1回塾「縄文時代をイメージしよう。釣り針をつくろう」のようすです。
入塾式の画像 入塾式と 第1回塾は初めて河南町外での開催です。
入熟式は松島野外活動センターで行いました。
それぞれ緊張しながら自己紹介をしました。
その後,縄文村に移動して縄文時代をイメージするため縄文村の見学です。
貝塚の見学画像 縄文村の見学のあと3000年前と4000年前の里浜貝塚の案内もしていただきました。
貝塚からは,さまざまな貝の殻,土器のかけら,魚の骨,獣の骨,石器のかけらなどがありました。
貝塚からは埋葬された人骨も見つかったそうです。
『私たちは貝塚に対して,貝殻などを捨てた縄文人のゴミ捨て場のような印象を持っていますが,単なるゴミ捨て場でなく,自然の恵みや道具に感謝するとともに,供養と再生を祈った「聖なる送り場」でもあった。』と縄文村の職員の方が教えてくれました。
縄文時代の河南町の宝が峯はもそのころは海に近くて,今の里浜のような環境だったんでしょう。
火おこしの体験画像 火おこしに挑戦です。縄文村の指導員の方に教わりながら,ほぼ全員が火をおこすことができました。木と木の摩擦で火をおこします。
結構難しかったです。お父さんやお母さんの方が夢中になってしまいました。
「火をおこすことがこんなに大変だとは思わなかった。昔の人は大変だったんだね。」こんな感想が聞かれました。
釣り針つくりの画像 トン汁のおいしいお昼を食べてから,今度はいよいよ,釣り針づくりです。
鹿の角を輪切りにして,十分に水に浸しておいたものを用意しました。
鹿の角は,水に十分に浸しておくと,やわらかくなって,石や矢じりで削ることができるんです。
石巻に住んでいる,実験考古学の楠本先生がつくり方を発見したそうです。
あんなに硬い鹿の角が,面白いように削れます。
昔の人はすごい知恵があったことや大変な作業をして,食料を得ていたことも体験してわかりました。
写真は,釣り針の内側を削っているところです。
内側も小さい矢じりで気長に削れるんですが,時間の都合で,文明の利器,鉄のやすりで削りました。
完成まで,2時間ちょっとかかりました。
釣り針つくりも大変でした。
完成した釣り針は左下の写真です。次回は,この釣り針で釣りをします。本当にこれで釣れるんだろうか。楽しみです。

  TOP  Next